250103 まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書
阿部幸大『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』が面白かった。
ので、メモをまとめた。
筋トレガチ勢のようなムキムキ感が気に入った。アカデミックムキムキ。
原則1、とかは勝手な整理で、本に書かれていることではない。
- 原則1:論文とは、アーギュメントを論証する文章である。
- アーギュメントとは、論証を必要とするテーゼである。
- 事実の提示はアーギュメントではない。
- トピックの提示はアーギュメントではない。
- 方法論の提示はアーギュメントではない。
- 「重要だ」ということ(価値判断)はアーギュメントではない。
- アーギュメントは問いではない。
- アーギュメントを答えとして、形式的に問いを導入することはできる。
- アーギュメントとは、反論可能性を持ったテーゼである。
- 反論とは、「本当か? じゃあ示してみろ」という反応。
- アーギュメントは、「この論文は~~を示す」という構文に変換できる。
- アーギュメントはより強くすることができる。
- 強いアーギュメントは他動詞モデルの形をしている。
- 他動詞モデル=AがBをVする
- 例:作品AはトピックBを排除している
- 受動態にしてはいけない。主語が曖昧になるから。
- 例:作品AにおいてトピックBが排除されている
- 能動態で書くことで、著者は論証に対する強い責任を負う。
- 原則2:論文のアーギュメントは、アカデミックな価値を持たなくてはならない。
- アカデミックな価値は、引用と批判によってつくられる。
- 引用とは、先行者たちの「会話」を整理すること。
- 「会話」とは、先行研究によって整備されたコンセンサスのこと。
- 誰も何の話もしていない突飛なことをいうのは会話ではない。
- 批判とは、先行者たちの「会話」に内在する問題を指摘し、更新すること。
- 否定するだけでは不十分。なぜ問題があると言えるのかを論証しなければならない。
- 原則3:論文は、アーギュメントで飛躍し、パラグラフによって論理的に飛躍を埋める。
- ひとつのパラグラフで、ひとつのトピックをあつかう。
- メモをつくる段階で、そのトピックがパラグラフに成り得るかを考える。
- パラグラフの冒頭にパラグラフ・テーゼをおく。
- パラグラフを通してひとつの小さなテーゼを論証する。
- 論証はファクト(抽象度=1)、観察(2)、解釈(3~4)でおこなう。
- Uneven U=抽象度の上下運動をU字形にする。
- パラグラフの最後で、小テーゼをパラフレーズする。
- 抽象度の高いテーゼ(5)→抽象度の低い論証(1~4)→再び抽象度の高いテーゼ(5)
- 原則4:論文を読むとは、アーギュメントを発見することである。
- アカデミックな価値をつくる「会話」とは、アーギュメントの投げ合いである。
- アーギュメントを発見したら、自分の言葉でパラフレーズする。
- ひとつの論文、ひとつの書物を一行のアーギュメントに圧縮する。
- バラバラにもみえる先行研究を、アーギュメントを用いてマッピングする。
- もともとマッピングされているものではない。
- 著者があえて整理しなくてはならない。
- 先行研究たちが「同じことを言っている」ポイント=暗黙の前提を見つけ出す。
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