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241104

きのう、18時くらいに駅前の喫茶店に行ってサバサンドとコーヒーを注文した。子どもと奥さんは義父義母といっしょに旅行に行っている。だからひとりだ。 店内は半分くらいの席が埋まっていて、大きな声で話す人はだれもおらず、ふたり連れの女性たちも相手に聞こえればいいくらいの音量で静かに会話していた。窓の外は目に見えないくらい昼の気配が残っているがほとんど暗く、通りを急いで横切る人々がちらほら見える。天井からはおそらくジャズと呼ぶしかない、名前を知らない音楽が流れていた。明日は月曜だが祝日の振替で休みだった。 店の籠に並べてあった読売新聞の書評欄を眺めながら、サンドイッチにくちをつけた。今、こうして自分がとりあえず軽い気持ちでものを食べて、町の人々とたがいにほどよく無関心に共存しているという状況を味わっていた。 人々も自分も、平日には仕事に行き、あるいは皿を洗い、子どもに服を着せ、トイレで用を足し、税金を払い、セックスをし、音楽を聴き、動画を眺めて、寝て、また起きる。それらに伴う疲れだの、苛立ちだの、喜びだのと無縁な、静止したような時間がたまたま訪れた。 何かから解放されることと何かと共にあること、存在してしまっていることと自由であること。いま作っている同人誌のために考えていた問題というか概念というかテーマみたいなものが、体と時間にそのまま滑り込んできたようだった。